「選択式で3点がとれない。」
社労士試験が合格率の低い理由の1つに、選択式の足切りがあります。
総合点では合格点に達しているのに、選択式の1科目が2点しかとれず、不合格になる受験生が毎年たくさんいます。
そんな選択式問題で悩んでいる方のために、この記事を書きました。
この記事を読むと、次の事が分かります。
- 選択式問題の解き方
- 分からない問題への対応の方法
少しでも受験生の手助けになれば、幸いです。
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選択式問題の勉強はいつから始めるべきか
選択式問題は、完璧に勉強しようとするのは不可能です。
また、費やした勉強時間に対して、なヵなか得点が伸びていきません。
あまり神経質にならず、毎日同じ量を淡々とこなすのが良いでしょう。
目安としては、試験半年前くらいがおすすめです。
早く始めすぎても忘れてしまいますし、遅すぎると間に合わなくなってしまします。
実際に私が行っていた教材を記事にしてありますので、興味のある方は是非参考にしてみてください。
選択式問題の解き方
本試験では、選択式問題は10:30~11:50の合計80分あります。
択一式に比べ、比較的時間に余裕があるので、焦らずに丁寧に解いていくことがまずは大切です。
では具体的に、どのように解いていくのか。
下記の順番で取り組むのを、おすすめしています。
- まずは全体を一通り読む
- 同じ記号にチェックを入れる
- カッコ内を飛ばして読む
下記の問題を例にして、順番に見ていきましょう。
受験生時代に、私が使用していた問題集から抜粋してます。
くたびれた感があることを、ご容赦ください。
1、まずは全体を一通り読む
選択式問題の試験時間は、比較的時間にゆとりがあります。
焦っていきなり解き始めないことが大切です。
まずは全体の文章を一通り読みましょう。
この文章は何についての論点なのか、把握することがとても大切です。
上記の例文を一通り読むと、雇用保険の適用事業についての文章だと分かります。
ここを他の論点の文章と勘違いしてしまいますと、当てはまる空欄の語句の選択が変り、間違えてしまう事があるので、要注意です。
2、同じ記号にチェックを入れる
選択式問題は、A~Eに当てはまる5つの空欄に、適当な語句を埋めます。
その中で、同じ記号が複数空欄になっていることがあります。
まず全体を一読し、同じ記号がないか探してみてください。
一読すると、この問題では[C]が2つあることに気が付くはずです。
この作業を初めに行うメリットは、「片方の答えは分からないけれど、もう片方なら分かる。」という場合、時間短縮になります。
上記の問題の場合、「被保険者であって、高年齢被保険者、[C]及び日雇労働被保険者以外のものを一般被保険者という。」という空欄が先に出てきます。
この答えが分からずに悶々と考え、「よし飛ばそう!」と思い、文章を読み進めていくとまた[C]が出てくる。
「あれ?これならわかるぞ!」
となってしまうと、先に出てきた[C]の語句を考えている時間が無駄になってしまいます。
全体を一通り読んでいる時に、同じ記号が出てきたらチェックしておきましょう。
3、カッコ内を飛ばして読む
社労士試験の文章は、難しい言い回しをしているものがたくさんあります。
より難しくしている要因の1つが、カッコ書きです。
「カッコ書きを飛ばして読むと内容が理解できる。」ということは、よくあります。
まずはカッコ書きを〇で囲んで、飛ばして読みましょう。
意味を理解し、空欄を埋めた後でカッコ書も読み、選択した答えが誤っていないか確認しましょう。
分からない問題への対応の方法
選択式問題を解いている時、「答えが全く分からない。」ということがあります。
そんな時ほど、冷静に問題と向き合いましょう。
必ず空欄の前後にヒントが隠されています。
次の2つのことに取り組みましょう
- グルーピング
- 言葉の意味を考える
選択式問題は、5つの空欄に対して、20の語群が準備されています。
これは1つの選択肢に対して、4つずつの惑わす選択肢があるという事です。
まずは、選択肢を4つまで絞り込みましょう。
これを、グルーピングと言います。
言葉の意味を考え、どのようにグルーピングし正解肢を導き出していくのか、説明します。
グルーピング
ここでも空欄[C]を例に、見ていきます。
[C]は2つあり、文章は次のようになっています。
- [C]及び日雇労働被保険者以外のものを一般被保険者という。
- [C]及び日雇労働被保険者を除く。
選択式では、日本語の意味を考えることが重要になってきます。
[C]の後に、「及び」という言葉が続いています。
「及び」とは、「~と」という意味の言葉で、複数の事例を並列で述べるときに使います。
言い換えると、「AとB」という意味です。
[C]を見ると「及び」の後は「日雇労働被保険者」となっています。
「及び=並列」、すなわち、同じ「~被保険者」という言葉が[C]にも入ることが予測できます。
20の語群を見ると、「~被保険者」となっているものは、次の4つです。
- ⑫任意継続被保険者
- ⑮短時間労働被保険者
- ⑱短期雇用継続被保険者
- ⑳短期雇用特例被保険者
これで、4つの選択肢まで絞り込むことができました。
さらに絞り込みます。
ここからは、知識がないと絞り込めないかもしれません。
「⑫任意継続被保険者」「⑮短時間労働被保険者」は、健康保険の被保険者のことです。
この例題は、「雇用保険の適用事業」のことについての論点なので、省くことができます。
上述した「選択式問題の解き方」の初めに、私はこう説明しました。
「まずは全体の文章を一通り読みましょう。
この文章は何についての論点なのか、把握することがとても大切です。」
そう、とても大切なんです。
残りの選択肢は2つです。
- ⑱短期雇用継続被保険者
- ⑳短期雇用特例被保険者
迷いますよね…
結論を言いますと、「⑳短期雇用特例被保険者」が正解肢です。
実は「⑱短期雇用継続被保険者」なんて言葉、ありません。
選択式問題では、ない言葉をさもあるかのように紛れ込ませてきます。
初めてみる言葉を見たとき、
「え!何これ?知らない。勉強不足だ…」
と思わずに、自分が勉強してきた知識を信じることが大切です。
例題の解答
参考までに、今回使用した例題の解答をお伝えします。
- A ⑨5人
- B ①船員
- C ⑳短期雇用特例被保険者
- D ⑩65歳
- E ③30日
まとめ
- 選択式の勉強は、本試験の半年前から取り組む。
- 選択式問題の解き方
1、まずは全体を一通り読む
2、同じ記号にチェックを入れる
3、カッコ内を飛ばして読む - 分からない問題は言葉の意味を考え、グルーピングする
選択式問題は範囲が膨大にあるので、すべてを暗記するというのは不可能です。
だからと言って、おろそかにしてもいけません。
基本的なことはしっかりと勉強して暗記したうえで、分からない問題が出題されたときに正解肢を導きだせるテクニックが必要です。
択一式は合格点に達しているのに、選択式で何年も足きりにあい、なかなか合格できない受験生を見かけます。
毎年必ずふるいに掛ける問題が出題されますし、解答ががすべて分かることは稀です。
分からない問題に対して、推測をし、自信がないながらも正解肢を導き出せるかどうかが、合格者・不合格者の分かれ目です。
勉強中から今回ご紹介したポイントを意識し、本試験に向けてぜひトレーニングしてみてください。
以下の記事では、社労士講座で迷っている方に向けて、人気の通信講座を比較しています。
もしよろしければ、参考にしてみてください。