あなたは、何年分の過去問に取り組んでいますか?
5年分?
10年分?
5年分の過去問を提供する社労士講座がほとんどですが、結論から言いますと、「10年分」勉強することを推奨します。
過去問を解く目的は、下記の3つです。
- 社労士試験問題の特徴をつかむこと
- どういう問題の出し方をしてくるのか、傾向をつかむこと
- 頻出問題(よく出る問題)を把握すること
5年分もあれば、社労士試験問題の特徴をつかむことは出来ます。
しかし、頻出問題を把握するには、少ないです。
なぜならば、6年以上前に出題された問題が再び出題されるということが、過去にありました。
この記事では、過去問はどのように使うのが有効なのか、私の合格体験をもとに紹介していきます。
過去問の重要性
社労士試験において「過去問が重要」というのは、よく言われていることです。
なぜ重要かというと、社労士試験は、過去問の使い回し問題が多いからです。
- 論点は同じだが、言い回しを変えてくる
- 論点・言い回しは同じだが、主語を変えてくる
- 数字を変えてくる
このような問題が頻繁に出題されます。
そんな理由から、「過去問さえ完璧にすれば5割は採れる。」という講師までいます。
過去問の誤った活用法
実力試しのために、過去問を解かずにとっておく。
これは非常にもったいないです。
勉強を進めていくと、途中で実力試しがしたくなり、全試験範囲が終わってから「過去問を解いてみよう」と、初めて解く人がいます。
そうすると、解き方に慣れていない・出題の切り口が想定外・時間配分が分かっていない等、たくさん勉強したにも関わらず、思うような結果が得られません。
自信をなくし、モチベーションの低下にもつながります。
繰り返しになりますが、過去問は実力試しに解くものではありません。
過去問を解く目的は、
- 社労士試験問題の特徴をつかむこと
- どういう問題の出し方をしてくるのか、傾向をつかむこと
- 頻出問題(よく出る問題)を把握すること
です。
本試験で解けるようになっておくための問題集として捉え、何十回と繰り返し解きましょう。
過去問をはじめる時期
過去問を解き始める時期は、早ければ早いほど良いです。
講義で労基法が終わったら「労基法の過去問を解く」というように、単元ごとに過去問を解いていくとよいです。
勉強の中心を、講座の問題集ではなく、過去問にしましょう。
あなたが受講する社労士講座で使っている、問題集があります。
これは、社労士試験の範囲をまんべんなく網羅して、問題が作られています。
簡単に言えば、本試験に出ない問題も多く含まれます。
社労士講座で使っている問題集は、全体像を把握するのに使ってください。
ある程度繰り返し解くことは必要ですが、しつこいくらい、何十回と繰り返すのは過去問がベターです。
有効な過去問の活用法
実際に過去問をどのようにして活用するのが有効なのか、紹介していきます。
①問題の出し方に慣れる
社労士講座の問題ばかり解いていると、過去問の問題文の長さに驚きます。
そして、独特の言い回しがされているので、初めは問題文を理解するのに時間がかかるかもしれません。
早めにこういった本試験の問題に触れておくことで、自然と慣れていくことが出来ます。
実は、違う問題にみえても、同じ論点を問いている問題が多々あります。
これに気付けるようになると、合格がグッと近づきます。
➁過去問は10年分解く
冒頭でも少し触れましたが、過去問は10年分解くのがおすすめです。
10年分解くと、社労士試験の特徴・頻出問題・問題の切り口をつかむことが出来ます。
ただし、「解けばよい」というわけではありません。
大切なのは何度も復習をし、頻出問題を把握し、本試験の問題文に慣れることです。
また、10年以上前の過去問は、取り組む必要はありません。
直近10年以内に出題されていない問題は、出る可能性が低く、社労士試験は法改正も多いため、間違った知識を覚えてしまう可能性があります。
知識を混同させないために、10年分で留めておいたほうがよいでしょう。
③頻出問題を洗い出す
何度も繰り返し解いていくうちに、「あれ?この問題、見たことある!」と感じるようになります。
こういった問題は、是非メモしてください。
多くの受験生は、なんとなく「頭の中で」重要事項を覚えておこうとします。
しかし、頭の中の記憶だと、ほぼ忘れ去られてしまいます。
紙にメモをし、「見える化」することにより、記憶に定着します。
④奇問・難問を省く
頻出問題を洗い出すのと同時に、その年にしか出ていない問題もチェックしましょう。
10年分過去問を解いていて、その年にしか出ていない問題は、再度出題される可能性は低いです。
多くの受験生はどうしても、自分の知識の中にない奇問・難問に目が行きがちです。
「この問題なに?知らない?やばい!」
焦ってこういった問題を何度でも繰り返し練習し、解けるようにしてしまいます。
この時間が本当にもったいない。
過去問を解くと同時に、こういった問題を省き、自分だけのオリジナル過去問集を作りましょう。
⑤頻出問題をしつこいくらい繰り返す
過去問は10回以上は繰り返し解きましょう。
「そんなに!?」と思いましたか?
10回でも少ないくらいです。
私は社労士試験に合格するために、2年かかりました。
最大の敗因は、過去問を解いた回数が少なかったことです。
そして、頻出問題は、100%間違えないで解けるようにしましょう。
大事なのは、「違う角度から問われてても、解けるようにすること」です。
なので、暗記ではいけません。
しっかり法律を理解することが重要です。
それにはやはり、繰り返ししかありません。
定期的に繰り返し、知識として定着させること必要です。
⑥類似問題を横断整理する
社労士試験は、法律の試験であり、10科目以上の法律が出てきます。
各科目は全くの無関係ではなく、共通点がいくつも存在します。
似ているんだけど、微妙に違うというものが多く、受験生を混乱させます。
なので、似ている知識に出会ったら、法律ごとに整理していくことが重要になっていきます。
例えば、下記の写真をご覧ください。
これは「延滞金」について、過去問を元に横断整理したものです。
横断整理することにより、格段に覚えやすくなります。
上記の写真はTACの教材ですが、横断整理の教材は各講座でも必ず準備されていますので、惜しまずに手に入れてください。
まとめ
- 社労士試験は過去問の使いまわしが多い
- 過去問は10年分を早めに解き始める
- 頻出問題を洗い出す
- 奇問・難問を省く
- しつこいくらい繰り返し解く
- 横断整理をする
過去問は本当に重要です。
早めに過去問にとりかからないと、頻出問題の洗い出しや、奇問・難問の除外といった「問題の整理」ができません。
「問題の整理」ができないと、覚えなくてもよい問題を必死に理解しようとし、繰り返し解くことになりますので、勉強時間のロスになります。
社労士試験の範囲は、とても広いです。
正しく勉強していかないと、いつまで経っても合格できません。
こちらの記事では過去問題集だけでなく、私を社労士合格まで導いてくれた「社労士必勝本」を紹介しています。
ぜひ確認してみてください。