「こんなに勉強しているのに、択一式の点数が伸びない」
択一式は本来、勉強すればするほど点数が伸びていくはずです。
知識が増え、理解力も深まれば、点数が伸びないわけがありません。
しかし、勉強しているのにも関わらずイマイチ伸び悩んでいるのであれば、問題を解くときの焦点が合っていないのかもしれません。
そういう私も、1年間必死に勉強したにも関わらず、1か月前の直前模試で「健康保険法 2点」でした。
かなり凹みましたね。
「自分には社労士の資格はレベルが高すぎて無理なんだ…」
そう思っていましたが、ある事に気付き、1か月後の本試験では「択一式 42点」採れました。
1年目は不合格に終わってしまいましたが、2年目は「択一式 46点」を獲得し、無事に合格。
この記事では私の体験をもとに、同じような悩みを抱えている受験生の助けになればと思い、記事にしました。
ぜひ、読み進めてみてください。
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一生懸命勉強している人が陥りがちな落とし穴
まず、以下の問題をご覧ください。
被保険者の資格の取得及び喪失は、健康保険組合の被保険者については当該健康保険組合が、全国健康保険協会の被保険者については全国健康保険協会が、それぞれ確認することによってその効力を生ずるが、任意継続被保険者及び特例退職被保険者の被保険者資格の得喪については保険者等の確認は行われない。
あなたは、どこに焦点が当たっていますか?
勉強をたくさんしている人は、「内容が合っているか」に目が行きがちです。
この問題でいうならば、次のような点ではないでしょうか。
- 健康保険組合と全国健康保険協会の被保険者では、確認者が違う
- 任意継続被保険者及び特例退職被保険者の被保険者資格の得喪については保険者等の確認は行われない。
これが、大きな落とし穴です。
内容が合っていると、正しい「〇」と判断してしまいます。
この問題の正誤は「✖」です。
「✖」の理由は、全国健康保険協会の被保険者の資格の取得及び喪失の確認は、「全国健康保険協会」ではなく、「厚生労働大臣」が行うからです。
このように社労士試験において、制度や内容はあっているが、「誰が」というような主語だけを変える問題が多く出題されます。
特に、長文や複雑な制度の説明をしている問題にこの傾向は強いです。
択一式の得点を伸ばすための【ちょっとしたコツ】
社労士試験はまじめに勉強し、知識・理解を深めれば合格できる試験ではありません。
社労士試験の出題の傾向を把握することも、合格するうえで大切です。
ここからは、択一式の得点を伸ばすための、ちょっとしたコツを紹介します。
理解しがたい長文問題が出てきたら、まずは主語を確認する
社労士試験の勉強をしていると、難しい言葉・文章・論点を必死に理解しようとします。
これは当然、必要なことです。
しっかりと勉強している方であれば、制度の内容が違えばすぐに「✖」と判断できます。
制度の内容が違えばすぐに答えが分かるのに、「誰が・誰に」を変えられてしまうと、気付かずに「正しい」と判断し、間違えてしまう事があります。
いくつか例を挙げます。
第3号被保険者の死亡の届け出は、当該事実があった日から14日以内に、所定の事項を記載した届出書又はこれらの事項を記録した光ディスクを市町村長に提出することによって行わなければならない。
→✖(市町村長でなく、日本年金機構)
保険医療機関又は保険薬局は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金を減額すること又は一部負担金の支払を免除すること等の措置を採ることができる。
→✖(保険医療機関又は保険薬局でなく、保険者)
厚生労働大臣による保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促等の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
→✖(社会保険審査会に対して、審査請求をすることができる)
このように制度はあっているものの、「誰が・誰に」などを変えて誤った選択肢を作られていることが多くあります。
これを知っておくだけで、問題を解く際に見るポイントが変わり、正解率が上がります。
まとめ
制度の内容だけでなく、主語を確認する。
これを実践するだけで正解率はあがりますし、問題を解く時間も短縮されます。
問題文の制度の理解に時間をかけなくても、書き出しの文章だけで判断ができる問題もあるからです。
こういった問題が、意外と多いんです。
合格した年の社労士試験において、全問見直す時間も含めて、私は30分以上が残りました。
ぜひ一度試してみてください。
今回の記事では、問題文を解くときのコツを紹介しました。
以下の記事では、知識を定着させるための勉強法・合格するための戦略について紹介しています。
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