社労士って、辛い…
この記事を読むと、次の事がわかります。
- 社労士を辞めたい理由トップ5
- 辞めるかどうかの判断の仕方
社労士試験に合格し、晴れて社労士になれたものの、いざ働いてみると想像していたのと違う。
「せっかくあれだけ勉強したのに、辞めるのはもったいない!」
こう思って頑張り続けてしまうと、心の病気になってしまう可能性があります。
かくいう私も一度は社労士事務所に就職しましたが、合わないと感じ、退職しました。
結果的に辞めて良かったと思っています。
この記事では、私の体験談をもとにお話していきます。
社労士を辞めたい理由トップ5
社労士を辞めたい理由で上位を占めた5つを紹介します。
あなたにも当てはまるものが、あるのではないでしょうか。
- 給料が安い
- 細かい業務が多く、難しい
- ミスが出来ないプレッシャー
- イメージと違った
- 所長(代表)と合わない
1、給料が安い
社労士事務所は、規模の小さな個人事務所が多くあります。
給与額には個人差や地域差があるため一概には言えませんが、こういった規模の小さな個人事務所では、一般企業の労務・人事部と比べ、給与が低いことがほとんどです。
社労士の仕事は法律に携わる仕事であり、その責任はとても大きなものです。
せっかく一生懸命勉強をして資格を取得したのに、努力に見合った年収にならないことに、不満を持つ人が多くいます。
「将来独立するために経験を積んでいる勉強期間」と思える方は、給与の安さは苦にならないかもしれませんが、独立を目指していない人にとっては、給与が良い職種への転職を考えている要因になっています。
2、細かい業務が多く、難しい
社労士の日々の業務は、給与計算・書類作成など、お金に関係することが多くあります。
これらの書類は間違えてしまうと、本来ならば得られるはずだった助成金が受けられなかったり、傷病手当金など、本来もらえる金額より少なくなったりしてしまいます。
同じ傷病手当支給申請書を作成するにしても、会社によって給与締め日・支払日が違いますし、傷病に至った経緯も違います。
作成する書類ごとに書き方が違うので、常に神経を張り詰めながら細かな事を確認する必要があります。
社労士の仕事は、まじめで几帳面な人に適性があると言われていますが、そういう人ほど神経質になりすぎて、潰れていきます。
3、ミスが出来ないプレッシャー
社労士業務は、法律に基づいて業務を進めなければなりません。
例えば就業規則を作成する場合、「始業及び就業の時刻、休日などの事項」「賃金に関する事項」「退職に関する事項」は、絶対的必要記載事項として、就業規則に記載することが義務付けられています。
また、日々顧問先からの相談に対し、適切に法律に基づいた指導・対処法を指導しなければなりません。
しかし、指導した内容が法律違反だった場合、弁護士を通じて労働裁判に発展してしまう可能性があります。
「知らない法律だった。」では、済まされないのです。
給与計算を間違えたら、企業に対する従業員の信頼が揺らぎます。
労働・社会保険関係の手続き、助成金申請の書類を間違えれば、損害賠償などに発展してしまう可能性もあります。
責任が重く、作業量も多いため、転職を考える方も少なくありません。
4、イメージと違った
社労士事務所は、顧客の労働保険や社会保険・労働問題の相談などを取り扱うので、キラキラとしたスマートな印象を持っている方も多いと思います。
しかし実際の業務内容は、給与計算や書類作成など、単調で地味な作業が多くなります。
企業の役に立ちたいと考え社労士になったのに、「毎日コツコツと事務作業」ということもあり得ます。
ルーティーンワークばかりで将来性・やりがいを感じられず、嫌になってしまう人もいるでしょう。
5、所長(代表)と合わない
社労士事務所は、小規模な個人経営が多いです。
そのため、所長(代表)の考え方によって、雰囲気・業務内容・業務量が全く違います。
助成金を得意とする事務所もあれば、年金を得意とする事務所もあります。
毎日定時で退社できる事務所もあれば、ブラックな働き方の事務所もあります。
異動や配置転換のある企業とは違いますので、「合わないな」と思っても環境の変化を待つという事ができないので、「辞めざるを得ない」という判断を下すしかなくなってしまいます。
社労士を辞めるべきかの判断はどのようにする?
社労士を辞めたい理由トップ5を紹介しました。
この中で、「社労士を辞めた方がよい」に該当するのは、次に3つの理由の人です。
- 細かい業務が多く、難しい
- ミスが出来ないプレッシャー
- イメージと違った
社労士をやめたくなった理由がこの3つのどれかに該当するのであれば、あなたは社労士という仕事に対して、適性がないのかもしれません。
社労士に向いている人の特徴は下記の記事にまとめてありますので、参考にしてください。
社労士の資格にこだわると不幸になることも
「必死で勉強して社労士試験に合格したのに、辞めるなんてもったいない。」
あなたのその気持ちは、もの凄くよく分かります。
私は現在、製造現場で働いていますが「なんで社労士の資格もってるのに、製造現場で働いてるの?」と言われます。
答えは、「製造現場が自分の能力を一番発揮できるから」です。
自分に合わない仕事をこの先ずっと続けるのは、しんどくないですか?
人は嫌な事・苦手な事に関しては、成長速度が遅くなります。
資格にこだわって嫌なことを続けて得意な人に追い抜かれていくよりも、自分の得意分野で勝負したほうが、この先の人生幸せになれると思いませんか?
社労士試験に合格し、社労士の仕事に携わってみて、自分に向いてないと分かっただけでもチャレンジした意味はあります。
それに、社労士の仕事をしていないからといって、勉強した知識が無駄になるわけではありません。
労働基準法や社会保険制度など、働くうえで、生きていくうえで、誰しもが必ず関係する知識です。
何の仕事をしたとしても、社労士の知識は活きていきます。
どうしても資格を生かしたいなら、フィールドを変えてみる
社労士事務所に勤めている人は、いわば、人事・労務のプロフェッショナルです。
「自分には社労士の才能がない。適性がない。」
と落ち込んでいても、比べる相手のレベルが高い可能性があります。
例えば、野球の甲子園優勝校のレギュラーを勝ち取った生徒は、「自分には野球の才能がない。」と落ち込むことはないでしょう。
逆に、優勝校のレギュラーだったわけですから、自信を持っているはずです。
しかし、プロ野球選手と比べるとまだまだ戦力外かもしれません。
これと同じように、社労士として自信をなくしているのであれば、フィールドを変えてみてはいかがでしょうか。
一般企業の労務や人事に転職をすれば、社労士の資格をもっている人は一握りです。
誤解しないでいただきたいのですが、一般企業の人事や労務のレベルが低いと言っているわけではありません。
社労士事務所と比較すると、一般企業のほうが専門知識を有している人の割合が低い傾向にあります。
そのような環境の中で社労士の資格を有しているのであれば、社労士事務所に在籍しているより、一目置かれる存在となる可能性が高くなります。
まとめ
- 社労士の業務内容が合わないと思ったら辞めるべき
- 社労士の資格にこだわると不幸になることもある
- どうしても資格を活かしたいのなら、フィールドを変える
せっかく膨大な時間を勉強に費やたので、辞めたくない気持ちは分かります。
しかし「合わないな」と感じながらも社労士の仕事を続けることは、毎日の生活において多大なストレスを感じているはずです。
ご自身にとっても、周りの人にとっても良いことではありません。
この記事が、少しでもあなたの力にされたのであれば幸いです。
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