「こんなに勉強しているのに、択一式の点数がなかなか伸びない…」
あなたのその悩み、解決します。
私も択一式の点数がなかなか伸びず、悩んでいました。
私はというと、2年間社労士試験にチャレンジし、合計4回TACの模試を受けました。
しかし、結果は全てE判定。
「TACの模試が特別難しい」というわけではありません。
そんな中、試行錯誤しながら勉強法を変えたら、2回目の社労士試験の択一式は46点取ることができ、合格しました。
択一式の点数は残念ながら、「コツコツ地道に勉強すれば、必ず伸びる。」というわけではありません。
この記事では、私が実践した勉強法を記事にしています。
少しでもあなたの参考になれば幸いです。
1、勉強しない問題を明確にする
社労士試験の範囲は、とても広いです。
すべての範囲を勉強し、暗記することは不可能です。
過去問を何度も解いていると、同じ論点が何度も出されていることに気付くはずです。
そういった問題をチェックしておくと、「よく出される問題」が明確になっていきます。
択一式の得点が伸びないのは、「ほとんど出題されない問題」に、時間をかけて勉強してしまっている可能性があります。
- よく出題される問題
- ほとんど出題されない問題
この2つを意識し、よく出題されている問題には「A」などのランク付けをしてください。
社労士試験の過去問には、10年以上出題されていない論点がたくさんあります。
そこに勉強の時間を割くのはもったいないので、メリハリをつけて勉強すると、択一式の得点がUPしていきます。
2、一問一答の正誤を明確にする
過去問などの「五肢択一」を解いているとき、正解肢以外の問題の正誤をはっきり分かるようにしていますか?
問題に正解することに満足するのではなく、すべての選択肢に対して「どこが違っているのか」判断できるようにしましょう。
正解できたのは、出題された5つの選択肢から「明らかに違う選択肢がたまたまあった」だけかもしれません。
焦らなくてもよいので、一問ずつ確実に正誤判断ができるように勉強してください。
3、講座の問題集でなく、過去問を中心に勉強する
結論からいってしまうと、過去問10年分を完璧に出来るようにすれば、本試験の4割~5割は採れます。
実は社労士試験は、「同じ論点から角度を変えて多く出題されている」という特徴があるのです。
私はそのことを知らずに、予備校の演習問題ばかり解いていました。
予備校の演習問題が悪いわけではありません。
しかし予備校の演習問題は、同じ論点の問題は複数回出てきません。
そうすると、本試験において「よく出題される問題」と「ほとんど出題されない問題」の勉強量が同じになってしまいます。
さらには、違う角度から同じ論点が出題されている問題に、対応することができません。
社労士試験がどういう試験であるかを知ると、勉強のポイントがはっきりします。
クレアールでは、社労士受験の神様と呼ばれる北村講師が執筆した「社労士試験 最短最速!非常識合格法」を無料でプレゼントしています。
私は2年目にしてこの書籍に出合い、社労士試験を理解し、合格することが出来ました。
「え!そうなの?」と思わず声をあげてしまいそうな、衝撃の事実が書かれています。
「本気で社労士試験に合格したい!」と思う方は、取り寄せて読んでみてください。
4、暗記ではなく、法律の趣旨・仕組みを理解する
「合格するためには、過去問を徹底的にやった方がいい」
「問題集を何回繰り返せるかが、合格のカギ」
このような事を、あなたは講師から言われてませんか?
私は何度も言われ、過去問5年分を覚えてないくらい繰り返しました。
それでも、1年目は不合格でした。
「問題集を何回繰り返せるかが、合格のカギ」というのは、間違ってはいないと思います。
しかし何度も同じ問題を解いていると、「暗記」によって答えを覚える事しかできず、変化球がきたときに答えられなくなってしまいます。
例えば…
労働基準法第6条で「中間搾取の排除」について、次のように規定されています。
「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」
以下の問題は正・誤どちらだと思いますか?
派遣事業者と30日間の労働契約を結んで登録している労働者が、派遣業者の紹介により、派遣先である工場現場に1日だけ派遣され、当該労働者が働いて得た賃金の一部を派遣業者が搾取する行為は、違法行為にあたらない。
解答は👇へ
違法行為に当たる。
一部の例外業種を除き、日雇い派遣は原則禁止されています。
「派遣元との間に31日以上の労働契約を締結している場合」には、日雇い派遣も可能とされていますが、「30日間しか労働契約を結んでいない派遣労働者」を日雇い派遣することは違法行為。
正解出来ましたか?
ほとんどの方が、「何人も、法律に基づいて許される場合の外、何人も業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」というのを覚えています。
よって、「派遣事業は違法ではない!」と思い「正しい」と答えてしまいます。
実際に多くの問題集では、「中間搾取」についての論点を問われている問題ばかりです。
私が実際に使っていた問題集も、このような論点でした。
しかし、本試験では変化球を投げてきます。
きちんと法律の趣旨を理解し、何が問われているかを把握しないと間違えてしまいます。
「問題集を何回繰り返すか。」も重要ですが、法律・制度の仕組みを理解することに心がけてください。
仕組みを理解せずにひたすら問題集を繰り返し、正解できるようになっても、それは答えを暗記しているだけです。
本試験では、通用しません。
5、労働科目:社会保険科目は3:7の時間配分で勉強する
私が受験した令和3年(不合格)・令和4年(合格)の社労士試験成績結果通知書をお見せします。
不合格だった2021年と合格した2022年では、労働科目の点数は同じ17点ですが、社会保険科目の点数が大きく伸びているのが確認できると思います。
社労士試験はその名の通り、「社会保険」がメインです。
労働科目である「労働基準法」「労働安全衛生法」「雇用保険法」「労災保険法」「徴収法」、これらの5つの法律を一生懸命勉強しても、合計30点。
社会保険科目である「健康保険」「厚生年金保険」「国民年金」、これら3つの法律を一生懸命勉強しても合計30点。
いかかですか?
社会保険科目に多く時間を割いたほうが、効率が良いと思いませんか?
「労働基準法」は過去の判例、「労災保険法」は業務災害や通勤災害の事例を問われ、一生懸命勉強しても得点が伸びにくい傾向にあります。
例えば令和4年(2022年)の労災保険法で、以下のような問題が出ました。
労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。
この問題を過去問として繰り返し勉強したところで、ほぼ100%同じ問題は出ません。
こういった問題が多いのが、労働科目の特徴です。
私は2年目の勉強で、労働保険科目より社会保険科目を重点的に勉強しました。
社会保険科目を重点的に勉強はしましたが、労働科目も2年間勉強しています。
それにも関わらず、労働科目は1年目も2年目も、同じ17点です。
私の友人に、「去年は労災8点だったのに、今年は4点しかとれなかった…」という人もいます。
これが労働科目です。
足きりにあうほど勉強しないのはおすすめ出来ませんが、必要以上に労働科目に時間をかけないのが得策です。
それに対し、社会保険科目は、勉強量・勉強時間が確実に得点へとつながります。
なぜならば、社会保険科目は基本的な事を問う問題が多く出題されます。
「いやいや、全然基本的じゃないよ!難しいよ!」
と感じている方は、勉強不足で制度の仕組みを理解できていない可能性が高いです。
しっかり仕組みを理解し、過去問を解いていると、
「あれ?言葉や数字は変えているけど、同じような事を聞いてくる問題が多いぞ。」
という事に、気付くはずです。
6、労働保険徴収法は満点をとれるチャンス
労働保険徴収法は、労災保険料・雇用保険料を1本化して、事業主から集めるための法律です。
「仕組み」の法律なので、理解が難しい論点が少ないのが特徴です。
さらに出題範囲が狭く、届出期間などの数字が多く出てきます。
過去問さえしっかり繰り返し学習し、重要ポイントを押さえておけば、6点満点中5点は確実に狙えます。
私自身、合格した令和4年の試験では、6点満点中5点とれました。
「労災保険」「雇用保険」は、その年に出題される問題によって、かなり得点が左右されます。
出題範囲の狭い徴収法をしっかり勉強して、得点を稼ぐのがおすすめです。
7、24時間以内に同じ問題をもう一度解く
あなたは過去問・問題集を次々と解き進めていませんか?
そうではなく、「24時間以内に同じ問題をもう一度解く。」という事を是非やってみてください。
記憶の定着が、今までと全く違うことが実感できるはずです。
カナダの「ウォータールー」という大学で、「忘却の曲線」という研究結果が発表されました。
この研究結果のポイントをまとめると、次のようになります。
- 新しい事を学んでも、2日目までにその情報を使って何もしなかったら、50%~80%を忘れる。
- 30日経つと、覚えている内容は2%~3%となり、過去に学習した内容でも初めて見る問題のように感じる。
これを変えるためには、
同じ情報を24時間以内に10分間確認すると、1週間後に同じ情報を見たとき、再びほぼ100%まで上昇する。
社労士試験は範囲がとても広く、問題集も分厚い。
私は、「たくさんの問題を解きたい。早く次に進まないと、とても試験範囲を消化できない。」
と思い、同じ問題の復習は数ヶ月後でした。
これが失敗だったんです。
私は勉強法を変え、「24時間以内に同じ問題をもう一度解く。」ということを実践しました。
すると、確実に記憶が定着してきているのを実感できたのです。
8、3回連続で正解した問題は、3か月間飛ばす
「みんなが出来る基本問題は、必ず正解出来るようにしてください。」
私が資格の学校TACに通っている間、何度も言われました。
これは正しいですが、意識のしすぎは逆効果です。
問題集を解いていると、「これは基本問題だ。忘れたくないからもう一度解こう。」という心理が働いて、すでに分かっている問題を何度も解いてしまいます。
これは、非常に時間がもったいない。
私はいろいろな問題集に取り組むのではなく、ある程度ボリュームのある問題集を繰り返し解きました。
1年目はTACの問題集だけです。
2年目は法改正や一般常識の内容が変わるので、新たに購入しました。
購入した問題集のボリュームは、以下の通りです。
労働科目 ⇒ 科目ごとに約500問
社会保険科目 ⇒ 科目ごとに約800問
回転数はというと、覚えていないくらい解きました。
確実に10回転はしています。
しかし、全問を10回転したわけではありません。
解いた問題に対して、毎回「正解」「不正解」をチェックしておきます。
そしてチェックを確認し、「3回連続正解した問題は、勇気をもって飛ばす。」
1回や2回正解しただけでは、記憶に定着しているとは限りません。
たまたま正解できた可能性がありますし、知識が増えてくると、今まで正解できていた問題でも他の法律と混同し、間違えることがあります。
なので、目安は「3回」。
3回連続で正解した問題は、3か月間飛ばします。
そうすることにより自分が解けない問題が明確になり、重点的に勉強することが出来ます。
9、青ペン書きなぐり勉強法
「青ペンで書く。」
これは、ハーバード大学や東大生も実践している記憶術です。
青ペンには記憶の向上に結び付く、「鎮静効果」と「印象効果」があります。
「鎮静効果」とは、リラックスできるということ。
「印象効果」とは、記憶に残りやすいということ。
青ペン勉強法の効果は、書籍にもなっています。
私も実際に青ペンを使って勉強しました。
日本は「墨の文化」があるので、ノートをとるときは「黒」です。
しかし、ヨーロッパでは子供たちが勉強するときは「青色」でノートをとり、なんと契約書のサインも「青が基本」とされています。
まとめ
- 勉強しない問題を明確にする
- 一問一答の正誤を明確にする
- 講座の問題集でなく、過去問を中心に勉強する
- 問題集の答えは暗記ではなく、法律の趣旨・仕組みを理解する
- 社会保険科目を重点的に勉強する
- 労働保険徴収法は、満点をとれるチャンス
- 24時間以内に同じ問題をもう一度解く
- 3回連続で正解した問題は、3か月間は飛ばす
- 青ペンを使って記憶する
戦略をもって勉強に取り組まないと、択一式の得点はなかなか伸びません。
さらにこちらの記事では、実際に問題を解くときのコツを紹介していますので、ぜひご覧ください。
択一式と同じように、選択式もどのように勉強してよいか悩んでいる受験生はたくさんいます。
私が実践した「選択式の得点の伸ばし方」を、下記の記事にまとめました。